脳梗塞を予防するために、心房細動という不整脈のある方には、『ワーファリン』という血を固まりにくくする薬を使用します。ただし、効きすぎると出血してしまうため、頻回に血液の検査が必要です。
最近、採血検査を必要としない抗凝固剤も開発されてはいますが、高齢者、特に腎機能に障害のあるケースで副作用が強く出るケースが報告されています。
抗凝固療法の基本は、やはり『ワーファリン』なのです。
最近、コアグチェックXSという、血の固まりやすさを簡易に測定する機械が米国で開発されました。
そこで副作用の出やすい高齢者を対象に、この簡易測定器がどの程度有用であるかを検討する研究が、桂病院を中心に行われました。
京都桂病院心臓センター長の中村先生、溝渕先生を中心に、市内の数件の循環器内科クリニックが共同で研究を行いました。
その結果、コアグチェックを使用した迅速な検査によって、副作用の出やすい高齢者に対して、より安全に『ワーファリン』を使用できることがわかりました。
上記の研究は、第59回心臓病学会学術集会(平成23年9月、神戸)で発表されました。
京都桂病の中村先生、溝渕先生を始め、関係各位に謝辞を申し添えます。